ネイビーブルー
由比良 倖

兎みたいな。季節感と、昔の記憶。
子供の頃は、RPGをしていると、
数学の秘密に触れているみたいだった。

ΦとかΠとかrとか。
数々のばらばらと、藻の色をして浮かぶ、
谷底の集合論、ドット、悲しい数列……。

ノートに、深い海へのダイヴィングを感じる。
妹がまだ小さかったときの話。
肺の中の、強烈に懐かしい感じ。

風に、私は、薄い緑の未来を感じる。
神さまよりも、ずっと元気な風圧。
どこまでも、悲しい思い出が迫ってきて。

私は鳥の群れに「素朴を取り繕わないで」って呟いた。


自由詩 ネイビーブルー Copyright 由比良 倖 2024-02-04 18:50:39
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