反射
たもつ



痛点を通過する
ブランコに揺られて
春を待つ間に
チェニジアの
ハイスクールも
時間が経った
珍しく向かい風の
匂いがする朝
皮膚病だらけの
野犬に看取られて
誰もが死ぬ、と
名前は運河から海へと
流れていく
汚れた交差点にだって
命はある
形をなくして遊ぶ
子供の声が
遅れてやってくる
忘れていた口約束を
荷台に積んで
無人の自転車が
目の前を通り過ぎていく
自らの解体を
夢みるように
反射かな
まぶしい





(初出 R5.12.30 日本WEB詩人会)


自由詩 反射 Copyright たもつ 2023-12-31 07:49:41
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