青い夢
由比良 倖

幸福とは時間が過ぎていくこと、

私は幸福の中で選別する。
夢は青いたゆたいの中で泡のように弾け、
私たちの本の隙間にはエンドルフィンが充満している。
偶然作られた宇宙にはそれ故の笑みがあり、
私は両手の指と爪で、
私の白いお墓を作っている。

CD、レコード、マイクロチップ、……音楽を一瞬一瞬消化している、
そのまま無人の次元まで降りていく、
私たちのいない街まで、

路には亀が、歩いている、
影しかない街を、無音の楽器と絵筆を抱えて、
私は、歩いていく。


自由詩 青い夢 Copyright 由比良 倖 2023-10-17 20:26:22
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