こけのこい
soft_machine

こけ色のシャツを着
こけ風のズボン履き
こけ臭がするジャケツを羽織る朝
私はひろがる ちいさなタマシイ

苔の多様に思いを馳せる
新鮮な舌のようなむらさき
朝つゆにあつまる金
うまれる前の星の黒
みなとり合わせて

地球のさけ目にもぐりたい
そこなし沼をかくしたい
あなたの床うらにひそみ
こけなりの夢を電波する

ピピピ ピピピ
こけの恋文を読んで下さい
こけ文字はたったひと文字

「 * 」

わたしは走っています
走りながらふり撒いています
生きることより
殖やすことより
わたしはただあなたが好きだから
こけとして生き
こけして消える





自由詩 こけのこい Copyright soft_machine 2023-10-07 10:21:03
notebook Home 戻る