長岡叙景
れつら

かつての仕事の途中の駅
ベンチでうっかり座っている
座れたら座る
座れないからこれまでは座らなかった

煉瓦造りの
イミテーションの屋根
屈んでみたら駐輪場だった

布マスクのおばちゃんが半分ずらしてお茶を飲む
高校の制服のお嬢さんが
髪が風みたいになびいて
またも口もとはみえなかった
携帯のケースが白茶けたシリコンで
いなくなったあとに清潔な不織布をした若い男が座った
髪型もきまっている
モバゲーもしている

すぐに僕はスポーツをしたいと思う

けれど少し酒を飲んだので
天満宮へいくよりほかにない




自由詩 長岡叙景 Copyright れつら 2023-04-10 15:23:21
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