シンカ/通底音として鳴っているモノ
ひだかたけし
空の青が
わたしの中に
きっとあって
それは静かな眼差しで
わたしの心を視ている
宇宙の漆黒が
わたしの中に
きっとあって
それは渦巻く混沌で
わたしの心を喰っている
*
点在する視点、暴れる腕
気付けば僕は豊田くんを殴って
豊田くんは鼻血を流し泣いていた
点在する視点、優しい手
気付けば橋本さんは僕の手を握り
僕たちは夕べに熱持ち坂道を昇っていた
*
わたしの心から
ぼろぼろボロボロ
崩れるもの
死んだ父を包む静謐
老いた母の狂気の渦
内底から噴き出て
内底から木霊して
空の青が澄み渡り
宇宙の漆黒が渦を巻き
わたしは何処までも進んで生く
自由詩
シンカ/通底音として鳴っているモノ
Copyright
ひだかたけし
2022-10-01 17:58:45
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