海辺にて
soft_machine

昨日を呼び 今日を帰すもの
砂上に残そうとした つま先が
後進する遠ざかりに沈む
星に飲まれる度に 新鮮な貝になる

奪われるものと 逃れるもの
空を螺旋に墜ちるもの
狙われていることに 気づかず
沖で待つ 海鳥たち

感情は細い蜘蛛の糸にあるが
ここの巣は 風通しも良い
束の間を笑って過ごせるだろう

洗うものと 現れるもの
やがて海辺がここにまで及ぶ
それまで倒れない 流木を立てよう



自由詩 海辺にて Copyright soft_machine 2022-09-14 21:17:49
notebook Home 戻る  過去 未来