これでいい、そう これでいい
ひだかたけし

朝だ
熱気がもわんと身体を包む
街は目的を持った人たちが忙しく進み
何の目的もなく歩いているのはわたしだけだ

色んな形象をした白雲が
青い天を流れていく
突然、足許の大地が裂け眩暈する感覚に襲われ
わたしは思わず天を仰ぐ
時折、到来する
それは恐怖ではなく
圧倒的な驚きと歓喜に貫かれる瞬間だ

天が、大地が、世界が、生動している
わたしの生命は燃え立つ

間もなく疼痛が、肉の痛みが始まるだろう
早くも耳鳴りが激しくし手足が痺れている
でもわたしは長らく耐えるだろう

燃え立つ生命を、裂け生動する神秘を、自分が住まう宇宙を
深く感じ受け容れる
時間を瞬間を持てたのだから

今日も驚きと歓びと忍耐に充ちる一日が始まった

これでいい、
そう これでいい






自由詩 これでいい、そう これでいい Copyright ひだかたけし 2022-09-10 10:14:07
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