女學生日記 二十六
TAT


七月二十一日 金曜
天氣 晴
起床 五時三〇分
就床 十時二七分

いよ〳〵今日から勤勞奉仕である
七時集合なので早く行く
私達の今日の仕事は芝生を移しかへることと土を運ぶことでした
これから毎朝私達が勤勞奉仕に對する心がまへを云ふ事になつた
一・よろこびいさんで働きませう
二・規律正しく働きませう
三・力を合せて働きませう
五時 東組の佐野さんのお父さんを春日神社でお送りしました



七月二十二日 土曜
天氣 晴
起床 五時二〇分
就床 十時三〇分

今日から作業がすんでから愛國行進曲を歌ふことになりました
私達の今日の仕事は河原へ行つて砂や石を取つて来る事でした
校長先生の御注意
幸運の手紙が来たならば破つて棄てること



七月二十三日 日曜
天氣 晴
起床 五時三〇分
就床 十時三七分

今日の午後五時に遺骨が到着するのでお迎へに行くのであつたが私の従妹の昌子(四才)ちやんが危篤で母が行かれた所 死亡されたので母が行かれたから行けなかつた
校長先生よりお注意
昨日話して居いた幸運の手紙が来たならば破らないで先生に提出すること
夜 母が歸られる



七月二十四日 月曜
天氣 晴
起床 五時三七分
就床 九時五五分

今日も又午後五時に遺骨迎へがありましたが母が行かれたので行けなかつた
午後から亀岩の方へ水泳に行くつもりで一時に校門へ行つたら誰も見えなかつた
おこつて家にかへつてゐたら二時頃小宮さんが呼びに来て下さつたので行きました
歸りは奥田先生の自轉車に乘せていただいた
午後四時頃 歸りました



七月二十五日 火曜
天氣 晴
起床 六時一分
就床 九時三〇分

田中さんが「頭が痛い」と仰言つたので私はちょうど校内の仕事でしたので代つて上げました
歸りに病気の方がありましたので私は四年の北野かほるさんに乘せてゐただきました



七月二十六日 水曜
天氣 曇
起床 五時三〇分
就床 十時二九分

今日から田原の田富橋の上へ石取りに行くことになりました
午後から篠塚さんと自轉車で水泳に行きました



散文(批評随筆小説等) 女學生日記 二十六 Copyright TAT 2022-07-27 07:21:34
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