「自分に嘘をつくな」



という常套句がある





ずいぶん使い古された言葉だが






決して蔑ろにしてはならない何故なら
















その言葉は




嫌んなる程





真実だからだ




















どこまで逃げても







裸足の文無しで








死ぬ手前まで







駆けて駆けて駆けたとしても

































まだ逃れられない






























































剥き身で喉笛に刃を突き付けられる



















































自分からは逃れられない


つまり


















自分にはそもそも嘘はつけないんだ





圧倒的な事実として





















その上で聞くが君は本当に


























この街を愛せるか
この女を愛せるか
この辻を愛せるか
この人を愛せるか
この丘を愛せるか
この夜を愛せるか
この傷を愛せるか
この男を愛せるか
この歌を愛せるか
この海を愛せるか
この酒を愛せるか
この村を愛せるか
この馬を愛せるか
この河を愛せるか
この国を愛せるか
この軸を愛せるか
この職を愛せるか
この山を愛せるか
この母を愛せるか
この兄を愛せるか
この戦を愛せるか
この姉を愛せるか
この道を愛せるか
この店を愛せるか
この雨を愛せるか
この空を愛せるか
この沼を愛せるか
この童を愛せるか
この島を愛せるか
この歪を愛せるか
この舅を愛せるか
この嫗を愛せるか
この豚を愛せるか
この神を愛せるか
この妹を愛せるか
この車を愛せるか
この地を愛せるか
この鳥を愛せるか
この姑を愛せるか
この星を愛せるか
この父を愛せるか
この器を愛せるか
この肉を愛せるか
この家を愛せるか
この弟を愛せるか
この翼を愛せるか
この雪を愛せるか
この血を愛せるか
この花を愛せるか
この緑を愛せるか
この駒を愛せるか
この空を愛せるか
この影を愛せるか
この森を愛せるか
この絵を愛せるか
この木を愛せるか
この顔を愛せるか
この髪を愛せるか
この手を愛せるか
この荷を愛せるか
この世を愛せるか
この牢を愛せるか
この本を愛せるか
この劇を愛せるか
この字を愛せるか
この岬を愛せるか
この凪を愛せるか
この嵐を愛せるか
この春を愛せるか
この砦を愛せるか
この服を愛せるか
この靴を愛せるか
この楔を愛せるか
この標を愛せるか
この旗を愛せるか
この俺を愛せるか
この時を愛せるか
この米を愛せるか
この病を愛せるか
この翁を愛せるか
この仏を愛せるか
この港を愛せるか
この涙を愛せるか
この夢を愛せるか
この罪を愛せるか
この詩を愛せるか
この駅を愛せるか
この罠を愛せるか
この性を愛せるか
この船を愛せるか
この話を愛せるか
この渦を愛せるか
この曲を愛せるか
この蔵を愛せるか











問題はそこだ




































無論返答は要らんぜ











































俺は別に要らない