アルカリ性
鳴神夭花

内臓を引っ掻き回されるような
そういう心地と戦っている
耳から入る情報は氾濫して
いつだって整理整頓の壁紙が剥けている

愛のことを
暴力と呼ぶような人間には
なりたくなかったよ

朝が来るのが怖くて
でも震えることも出来ない四肢で
愛してるよ、なんて
学習機能で返事をする
内臓を引っ掻き回されて
それが当然だと笑って

ピーマンの味が嫌いだったことを
今更になって思い出した


自由詩 アルカリ性 Copyright 鳴神夭花 2020-09-18 13:59:01
notebook Home 戻る  過去 未来