坂の下の家
鳴神夭花

貴方が鍋に放り込んだものを
いつしか美味しいとは言えなくなった
貴方が穴に放り込んだものを
いつしか美しいとは言えなくなった
わたしが成長してしまったのかな
貴方はいつまでも変わらないのに
わたしが壊れてしまったのかな
貴方はいつまでも変われないのに

月が昇って
また落ちるまで
健康でないことを繰り返して

定義をしている
定義をさせないでいる
貴方が生きていることが
わたしの死を肯定している


自由詩 坂の下の家 Copyright 鳴神夭花 2020-09-18 13:34:25
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