厚ぼったい秘密
うめバア

19も年下のあの人に
恋をしました

バカな女にはなりたくない
私だけはならないって
そう、思っていたのに

普通では、いられないのです
見ているだけで、緊張して
いつもの私ではなくなってしまうのです

お陰で仕事がはかどりません
新入生のようにおどおどして
みっともない、わかってます
メール1本すら無理

あの人は、そんなこと、1つも知らない
知らなくていい、そう、多分
家に帰れば溜まり溜まった悲しみが
脱ぎ捨てる服とともに、ほろほろ落ちるのです

インターネットの広告にはいつも
若く見せることばかり
いやね、浅ましい
どんなに頑張って逃げても老いは追いかけて来る
せせら笑う側だった私
なのに

あなたがピカピカの赤子で生まれ
毛布にくるまれて愛されていたころ
私は19歳
覚えたての化粧で
田舎娘の似合わない派手な服で
慣れないヒールで街中を歩いてた
爆音バンドの演奏が
耳の奥で、いつもがなってた

おとなになって
たくさんのことを知って
失敗なんて、しない、もう2度と
落とし穴になんて、落ちたりしない
そう思っていたのに

19歳も年下の
彼に恋をしました


自由詩 厚ぼったい秘密 Copyright うめバア 2019-07-05 18:51:38
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