空っぽに飢える
卯月とわ子

『何かが足りない』

探しても探しても
『何か』が分からなくて
満たされない心は
空っぽのはずなのに
わたしの身体は日に日に重くなる

どうしてだろう?
いつ落したのだろう?

考えても答えはやっぱり見つからなくて
『何か』はやっぱり見つからなくて

わたしは飢えていく
何もかもを取り込めば
その中に『何か』がある気がして
止まる事無く飢えを満たそうとした

いつのまにか自分ではコントロールが出来なくなるほどに

『何か』を探していたはずなのに
今のわたしはわたしを探している
あの時の
始まる前のわたしを探している

飢えは満たされない
わたしは満たされない
欠けた『何か』を見つけられなくて
失ったわたしを取り戻せなくて

何処まできたのだろう?
もう帰る場所すら分からない


自由詩 空っぽに飢える Copyright 卯月とわ子 2018-11-04 15:05:11
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