ひかり
ひだかたけし

光が充ちて来る
悪夢の奥から
光が充ちて来る

足場は崩れ
まさに死の淵
その時肩を揺すぶられ
目覚めて見れば顔が浮かぶ
灰色工員帽と蠢く闇
部屋の白壁が唐突に
無機質顕にのっぺらぼう
闇と共に襲いかかる
俺を恐怖に窒息させて
蠢く闇と白壁が
一気呵成に侵入する

自意識を剥奪され
恐怖の余り俺は叫ぶ
叫び続けて朝を迎え
曙光を浴びて途方に暮れる
余りの落差に意識は遠退き

光が充ちて
闇の奥から
光が充ちて
気付けば私は泣いている
生きている生きている
おれはおれだ生きている
うねる感覚に貫かれ
わたしは透明になっていく





自由詩 ひかり Copyright ひだかたけし 2018-11-04 15:16:51縦
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