触れる
春日線香

夜、自分で自分の髪を切ってお湯で流したところ。外では台風が吹き荒れ、窓に重い空気の塊が当たる気配がする。奇妙に空腹ではあるけど食べないほうがいいだろう。そっと自分で自分の頬に触れると、顔がある。幸福でも不幸でもない。速度の遅い台風が今、東の海上に逃れていくらしい。


自由詩 触れる Copyright 春日線香 2018-08-09 04:11:30
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