日常
卯月とわ子

「何処へ行くの?」

「病院だよ」

わざわざ服を着替えて
ドライヤーで髪を整え
かしこまって行く先は
毎月の定期健診

ばかばかしくて
貴方を見る目が細くなる

昨日を捨てて歩く貴方は
朝食を食べたことすら忘れて
わたしに薬の管理をされても
薬を飲み忘れる

一日に二日分の洗濯物を出し
よたよたと歩いて
話しかける先は犬猫
この家で貴方の相手をする人はいない


愛は無いのだろうか

どうせお見合い結婚だったんだもの

情けは無いのだろうか

貴方はソレを求めていないでしょう


会話のない家にも時間は流れる
枯れていく草木のように
知らぬ間に気付かぬ間に
貪られるだけ


自由詩 日常 Copyright 卯月とわ子 2018-04-27 16:09:20
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