かけら
小川麻由美
沈みかけた かけらをすくおうと
水に手を入れてはみたものの
指の隙間から落ちる水しかない
かけらは空中を舞う羽のよう
水中を浮くとも沈むともしれず
ただただ舞う姿に魅了される
ただただかけらを求める
水草となり流れに任せれば
いくらか かけらに近づける
かけらは水面に映る月なのか
自由詩
かけら
Copyright
小川麻由美
2017-12-22 18:57:58