死びと
小川麻由美

満月を花で飾ろうと
その術を問うてみる
太陽は月を照らす
あらわになる絶大さ
幾重にも花に囲まれ
蛍光灯に照らし出される
死びとの丸い艶のない顔
目を閉じ雲に脅かされず
抗うことのない表情
花を持つ我々の手
決して届かない手
温もりを忘れた手
断絶された手たち
死びとの目は赤い目に
脅かされない


自由詩 死びと Copyright 小川麻由美 2018-01-05 18:27:44
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