かおるのおと 「あてのなさ故」 七首
もっぷ

もう恋はしないと決めた哀しさを一人のものとして綴じる寂しさ


夕星ゆうずつを見ない日続く梅雨のなか届かぬ手紙ふみとそのあてのなさ


ジャズピアノ似合う私でないけれどひとりの部屋でささやかに聴く


梅雨晴れ間すこしもかぬ窓みあげ独りをうらまず安息日午後


エアコンの寿命とくらべふと笑うたぶん私のほうが長生き


ゆるがない意思に届かぬ手を嘆く「人間だもの」とメールが届く


きれいごとあつめることを赦されたい詠って 生きたい 私の四季に



短歌 かおるのおと 「あてのなさ故」 七首 Copyright もっぷ 2017-06-29 19:30:53
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