stay to the end of June
本木はじめ

縄梯子少女はおりるどこまでも夢の終わりへ釦は落ちて
                 こもん




stay to the end of June目の前に降りしきる雨数え終えるまで


雨の中防犯カメラを次々と破壊してゆく夏のはじまり


漏れているきみの紫じっと目で追えば夕暮れ駅の片隅


胸元をひらけば海が溢れだし応急処置としてのゴーグル


とんでもないオーバーキルが降り注ぎ刹那で交わす人生の岐路


図書館にいる生徒らは別々の世界に在ってたまに交差す


紫陽花に雨のイメージ付き纏う夜の校舎に見慣れぬ少女


目覚めれば蝶の死骸に囲まれていたのだという秘密を守る


澄み渡る空にみとれて三時間ほんとうに大事なことは何だろう


外灯に照らされ夜の雨白く今、今、今が降り注ぐ今


階段を駆け下りる音響く雨模様の朝に拾った釦




短歌 stay to the end of June Copyright 本木はじめ 2017-07-03 19:33:40
notebook Home 戻る  過去 未来