ウさぎと吸血鬼はちがう
水戸 うしん

朝がくるころ
身を隠すんだ


夜に生きる
吸血鬼
アサヒに怯え、うっとおしい。



中夜行のウさぎを
夜に寝かせるのは
可哀想だろうか
チクリとどこかが痛いな

いずれ
月にかえる ウさぎ

私も一緒に行かせてくれないか


月にかえるのは
かぐや姫、ウさぎ、だけなの

お餅もつかなきゃいけない


そうか、。わかった。


逢いたくなったら
月を見ればいいんだね


満月にみて
ちゃんといるから


夜に生きる吸血鬼なら
た易いこと



もうすぐ朝がくる
鳥の唄も聞こえる
好きじゃないんだ


身を隠すには
朱色と黒色の毒々しい色見のやつ

2つを分けて中身を出す



吸血鬼は最近、飢えている
食事-をぬいて

この華奢が、いるんだ、
と、落ちた肉体を見ては、ナルシスト
まだここも落とさなくては、ボソリ


華奢になってどうするんだ


好きなものに好きと言うのさ
口角を上げた犬歯が闇世にヒカる


吸血鬼を好きになるとは
受け入れ難いな

黙れ、と四白眼の華奢な吸血鬼



好きなものに好きと云うのが
いけない、と。

ソレを口にしたら
忽ち罪人になるのなら
甘んじて受けよう



アサヒがきたな


朱色と黒色の毒々しい色見

の。中身ヲ薔薇の花びらニ出す

中はさらりとした白亜
口に入れてしみ込む、しばらく
貴女には逢えないんだよ




目覚めたら言おう
真赤な太陽ノような薔薇ヲ
貴女に添えて

貴女二逢う為生きてきたこと

吸血鬼から太陽のような色の薔薇、か。
Blood Roses
不釣り合いさ


守りたい、愛スル貴方ノ
総てをみていたい
さすれば、私は真人間に、

なれやしないさ。 え、




吸血鬼は吸血鬼のまま眠るだけなのだから。



自由詩 ウさぎと吸血鬼はちがう Copyright 水戸 うしん 2017-06-04 06:48:00
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