赤い風船
水戸 うしん

天使が生まれた日

私は知らないフリをする

天使が生まれた日

あなたは柔らかな詞を囁く

そそくさと向かう天使の住処。
温かいココロのスープを作るよ

手慣れたもんなのです。
だってずっと愛してきた
溢れる想いから出来た愛の唱
その中でのヒトツブ
大きくな〜れと願事


砂に隠したい大事な桜貝
海に投げ捨てたいウニ


湿気を含んだ朝凪の無言
言えない

薫風吹くまでは少し先ね
やっぱり言えない


言わない陸風
泣きたい南風

交替する時は無言劇



天使が生まれた日

知らないフリをした
涙ポロポロ流しても気付かれないよ

私はなんノ為に此処に居るんだろう
投げ捨てたいウニと同じ
トゲトゲしい、
邪魔だから、
必要ないから。

そうなの。

頭の中で何度も腹ワタをカッ切る
脳内殺人


砂浜にひとりぼっち
弱い女は赤い風船を空に放つ
何も持っていない、才能、感性、ひらめき

持っているのは赤い風船だけだった
ばい、ば、い、。



我に返ったら全て海に投げ捨て
何もなかったと云おう


潮風と血潮はベタつく
天使が生まれた日


在り在りと見せ付けられる現実
私の全部で泣いてみる
カエル場所は



だから
大事なのは砂に隠して
ウニは海に投げ捨てた



自由詩 赤い風船 Copyright 水戸 うしん 2017-06-07 18:28:52
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