ice
青の群れ
次の日の青あざもきっと可愛い
レンタルのスケート靴は湿っているけれど
夜景の中の白いアイスリンクで
恋人たちが不慣れに踊る
ろくに整備もされていない足元
にんげんの群れも氷像のよう
ユーフォリアに浸る
新しい手袋越しの感触は不思議
転んでもしがみついても笑ってしまう
ロマンチックは合法ドラッグ
だれかが一生懸命巻きつけた
眩しい街路樹の魔法にかけられて
普段言わない愛の言葉を囁く
氷上のおまじないは溶けない
あなたは知ってるの?
境界が曖昧になっていった
ぐちゃぐちゃになった靴の中
ブレードには削れた氷
人混みをすり抜けても
振り返って居場所を教えて
手を振って
冬の蛍は明滅を繰り返していた
だいじょうぶ凍えることはないよ
それはたぶん、まぼろし
自由詩
ice
Copyright
青の群れ
2016-12-26 15:18:29
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