落陽
青の群れ

乾いた太陽、冷え切った指先にほどけた毛糸を巻きつける
赤い手のひらは落ちていくのが早まったし、昼はとても短くなったね
深い夜は夢を見て、朝、現実に戻るまでの道のりはとても長い

桜の花びらのように誰かが願いを込めて掬うことはなかったとしても、軽い体はどこまでも刺さるような冷たさの中を這いずり回ることができる
空気ばかり詰まったゴミ袋に火をつけて、焚き火でもすれば体は温まるだろうね

「サンタクロースのような朱色なら良かった!」
スマートフォンのカメラを夕焼けに向けるのは、誰かを途方もないセンチメンタルの巻き添えにしたいからだ
病院の窓から、まるで命の残り火の象徴のように、そこにあってかわいそうだと思う人たち

分解されて頭をさげるかのように、いつか根が絡みつくのを待って冬のベッドに眠る
西日に照らされてまた深い夢を見る
自然のサイクルに無敵の笑顔を忍ばせていた

街灯に伸びる影が絶え間なく動き続けている


自由詩 落陽 Copyright 青の群れ 2016-11-09 15:45:54
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