サマータイム
八雲みつる
桟橋の先に腰掛け、水に足を浸す
少しだけ、何かの一部になれた気がした
そのまま、いつか聞いた懐かしい歌を歌う
消さないために、忘れるために
ゆるやかに瞼を閉じる、その速度は
あの声が私に染み渡るスピードと似ていた
鴎の影が私を過り、はっと目を開けると
法則に縛られた、自由の世界が広がっていた
私は大きく伸びをして
眼前の水に飛び込む
全てが何かの一部になる
今、全てが私だ
今日の空に名前を付ける
少しだけ、自分の物になった気がした
自由詩
サマータイム
Copyright
八雲みつる
2016-08-12 20:38:13
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