足音が止んだ後
noman

明るい灰色の水面が
鳥の声がするたびに震えていた
誰かが落とした柔らかな
容れ物も
静かに震えながら
石畳の上を転がっていた
そこから視線を
ずらすと
小さな島が現れたり
消えたりしている
何かが訪れるのだとしたら
それは
ほんの数秒のことで
流れ込んで来る 風や
匂いや言葉は何の
余韻も残さずに
消える

少しの時間差があって
灰色の空の明るさが
立ち尽くす人と
人との隙間を
均していった


自由詩 足音が止んだ後 Copyright noman 2016-03-13 20:30:38
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