ピンク色の菫の花束
あおば

             160310

スミレは紫と決まっています
三色スミレは三色だから
ピンクのは無いのではと
わたくしは瞬間的に思ったのです
スミレも現在では品種改良の結果
ピンク色のも現れたのだろう
赤色に白色を混ぜれば良いのだから
彩度の低い明るい赤をピンクというのだから
マンセル値では4.8R 7.7/7.3 と決められている
ネット画像を見る限り、ピンクのスミレと称しているのは
明度が高く彩度が低く、白っぽい赤紫のスミレをピンクのスミレと呼んでいるようだ
純粋にピンク色のスミレも何処かに在るかもしれませんが
生憎わたくしは濃い紫色のスミレが好きなので
裸地を選んで生える、競争力は弱いが、簡単には絶滅しないから
種を上手にまき散らしているのではと考えている
昨年咲いたところには他の植物が占拠していて、スミレは生えていないことが多く
他の植物に先駆けて生える先導師のような可憐な花だ
ピンクの花束は花屋さんに誂えてくれたまえ
私は野の紫の菫を腹ばいになっていつまでも見つめていたい
そんなチャンスが今年もあるかなと、もうじき咲き出す菫の紫を
紫の軌跡を思い出している
そういえば
純紫軌跡とはCIE(国際照明委員会)が定めたXYZ表色系のxy色度図のあの釣鐘形の底に当たる直線のことだったなと、忘れていた記憶の底から引っ張り出して
ピンク色はどの辺かしらねと色度図の中で色を探している
花束は花屋さんに任せて、私は小理屈を並べて暇を潰している
餡の色も濃い紫だったなと食い気の方も立ち上がり
当分花束とは縁が無さそうなのを喜んでいます



初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、サンバ海猫さん






自由詩 ピンク色の菫の花束 Copyright あおば 2016-03-10 01:11:39
notebook Home 戻る  過去 未来