レモン

 
表も裏もないのだ
という
角度的分散と
平衡感覚の歪みは
時折、
浮遊するような
非 現実感を
滑空する

麻痺することで
逃れられるならば
飛んでいきたい
誰も知らない
私の聖域

蹲って閉じこもった
眠りの飽和に
私は
すっかり
冷たくなってしまった
その氷点だけが
唯、痛い


溶けることなき
ガラスの花なら
いっそ
砕けてしまえばいい。

流れる血の体温を
鼓動の乱れを
確かな不安を
躯に刻んだ傷痕を
今尚深い
こころの証を


忘れることなど
出来はしない。



私が生きた
その
きせきのような
弱くも強い
輝きを


自由詩Copyright レモン 2015-11-12 23:33:47
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