はなのなまえ
レモン



道の端に咲く
あのちいさな可愛いはなのなまえは
ずいぶん昔に忘れてしまったよ。
ただとても懐かしく
大好きだったこと。
吹く風が優しくて
曇りの空が幾重にも広がりながら微笑んでいて
静かさを意識してた。

沈黙は祝福で
存在の確かさが
頬を撫でる。
はなと見つめ合い
名などどうでもよいと呟いた午後、
完璧の意味を知り
私は花が
妬ましかった。


自由詩 はなのなまえ Copyright レモン 2015-11-12 13:02:52
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