巻火
レモン

なんぜん兆を
超える花々
あの聖なるあおい火のたもとで揺れている

忘れたかった忘れられなかった
忘れたくなかった
私だけのSin
想うことすら罪ならば
秘めたまま名を呼ばず
生涯閉じても本望で。

甘やかな綴りを
雨のあさ水に溶かして降り注ぐはなのおと。
繋がって逝く清らかな流れとまばゆいしづかなともしびと
からだがひかりに満たされ
私、
白く淡く透けてしまう


手放したくない想い故
私は堕ちても本望で。
手放したくない想い故
君の枷となるのなら、
私は還ろう。
愛しさも名も巻火に焼べて
無のみなもと
全ての始まる素子の元


はながもえ
はながゆれ
ひかりひかり
だれもがひとしく
うまれたときに


失って満ちたこと
泣くことを思い出す。




自由詩 巻火 Copyright レモン 2015-11-13 22:01:16
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