エンドロール
凍月



重い水の中から
泡が鈍い音を立てて昇る
肺に濾過される事で
汚染した人間の気泡が

こんな社会に生きてる僕らは
どうしたって孤独になんかなれない
だからこそ孤独なんて辛いのに
影が自分を沈めている
浮き上がらないように頭を抑え
下へ下へ
躍起になる一人も気付いてみれば
首元まで既に黒い水


横向きのタイトルクレジット
昼は山だった黒い塊の表面で
流されていく小さく沢山な星

その中の
たった一粒

沈んで
視界から消えて


ほら
エンドロールに埋もれたヒトリなんて
もう 意識 の 外







自由詩 エンドロール Copyright 凍月 2015-09-29 21:20:58
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