8月の入道雲
溶融
誰かの言葉になんか慰められたくないし
言葉なんてものに何の力もないのよ
そう言って君はグラスを置く
アスファルトの陽炎(かげろう)
やがて入道雲に変わる・・・
長袖の君の唇は僕の耳をそっと齧る(かじ)
どう伝わった・
痛みだけは裏切らないのよ
流した血の赤色に
自分を感じることが出来るの
ただそれだけ・・
君を引き寄せ抱きしめた
君が壊れるくらい
ひたすらに
ただこうすることしか
今の僕には出来ないから・
ただこうすることでしか
君を感じることが出来ないから・・・
自由詩
8月の入道雲
Copyright
溶融
2015-09-03 12:07:47