月形半分子




いつも僕と逆方向に風は吹く
来た道はもう違う名を名乗っている

立ち止まったその足で不意に僕は気付いた
僕と道を違えるものたちが
風を起こしているのだと。
今、ぼくはその風に吹かれているのだと。

風を求め
風を憎み
風を羨み
風を拒み
風を見送り
そして
僕は僕の風だけを知らない




自由詩Copyright 月形半分子 2015-01-28 02:53:27
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