水槽都市
吐水とり

怪物は街に来るから怪物だ
無痛で流れる血
片頬にためた煩悩
等間隔のドグマ、呆れた僧侶の鈴なり


数を数えるだけのアルバイト中に慟哭する少女
つまらない口論を売りに走る馬
つぶれた母の骨 塩の味
行くあてもなく靴の音と快楽



吐き出しても吐き出しても風景
見えなくても見えなくても扉の先は扉

途切れもせずに都市
溶けていくのは星


水槽に
水はない
でも満ちている
理解のできないものばかり




水平線を縦に
その眼をとじる
軽ければ軽い程うつくしい世界で君の身体が一番綺麗


自由詩 水槽都市 Copyright 吐水とり 2014-12-11 16:52:35
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