すべてが予定調和のアンソロジー
ねこ歩き

賞味期限切れのクロワッサンを
もったいないからと君がほおばった
テレビの画面では焼き直しのミュージック
チャンネルを切り替えて いつか聞いたニュース

1000年前から飽きている
降っては止む雨と晴れの繰り返し
違うといえばアスファルトぐらいさ

掃除して綺麗なったクローゼットを
もう数時間後には色とりどりの四次元ポケット
君は今日 誰のフリして 誰を抱く?
チャンネルを切り替えて いつか聞いた台詞

百戦錬磨に飽きている
知っては忘れる脳と心の繰り返し
違うといえば抗鬱剤ぐらいさ

すべてが予定調和のアンソロジー
神様の書庫に並べられて とうに閲覧されることもないだろう
すべてが予定調和のアンソロジー
神様が書庫を眺めながら 鼻で笑って こう呟くんだ
「すべてが予定調和のアンソロジー」

歴史は速度まして 喜怒哀楽を更新していく
時代に倣って 足踏みしているような気がする交差点
見上げれば 億年前から変わらぬ晴天

景色は速度まして 四季折々を更新していく
時代に倣って 汗をかいている気がしていた導火線
火が付けば 分かった気がした 打ち上がる花火

その儚さは変わらずに
ただ 神様が弄ぶ
なにも僕らの意思じゃなかった
すべてが予定調和のアンソロジー


自由詩 すべてが予定調和のアンソロジー Copyright ねこ歩き 2014-08-31 23:49:41
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