エコー・・・
tamami

あなたとの戯れに疲れ
白く塗りつぶされた心
もはや何人も入り込む
隙間さえなく息を潜む

生きた屍の日暮に一つ
許されているのは悶え
押し殺す声も言の葉も
漂う風さえ黙している

窓は閉ざされたままに
昼夜の区別さえつかぬ
孤立した扉を少しだけ
解放し外の風を招こう

あなたとの戯れに疲れ
風を招き入れたならば
風は言の葉を舞い上げ
何かを語るに違いない

あなたは言の葉の調べ
彷徨う私の言葉の音譜
あなたとの戯れに疲れ
今日も彷徨う浮浪者だ

少しだけ開いた扉から
風は木霊を招き入れた
山彦は言霊を呼び寄せ
私に何かを囁き消えた

一瞬の遠くて近い記憶
遠くて懐かしい香りは
木霊の残り香だろうか
山彦は言霊に化身した








自由詩 エコー・・・ Copyright tamami 2014-08-16 01:09:04
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