都会のアリス
伊織

水曜の月夜
頭痛には目を瞑って
メトロは川を渡り地下へ潜る


長すぎる日と日の間を捲る
短いスカートの権利は明け渡していない
いくつで
はじめます?


手も繋がずに坂を上って
足早に向かう先の悪趣味
アイシテルとか言い出した人
どの面下げて


グーなら三つ
チョキなら六つ
パーなら六つの
大人の階段
全速力で走り出す
ヒールを少し引っ掛けた


誰かに捧げるものなんてない
それを知るのはおそろしいこと
値札を付ければ誰かが手に取る
消費社会の法則を纏い
まことしやかに踏み外す


今日から一人称を変えました
もう私 ほんとうの名前は名乗らない


自由詩 都会のアリス Copyright 伊織 2014-01-07 22:05:00
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