Happiness To You
伊織

目立たないように、だけでは淋しいので一点ものの封筒を買った
案の定きみはヴィンテージ切手風のシールを息を止めながら剥がしていく
少し厚みのある封筒
80円ではきっと届かない
不規則なぼこぼこでシールが切れ切れになると一瞬だけ拗ねる

中身は手のひらにすっぽりおさまるもの、具体的には内緒なんだけど
目をまんまるにしたきみがもったいないからまずはジュエリーボックスに飾るとか異素材の組み合わせは嫌味になりがちだけどしっくりきてるとか今度一緒に出かけるときに付けていきたいとかずっとずっとまくし立てているから間違いではないんだ

値段は安いけどきみだけが喜ぶものばかりあつめました
こんなにも素直さをくれるひとだから
できるかぎりの目に見える感情を
来年も
あげたい


自由詩 Happiness To You Copyright 伊織 2014-01-10 00:05:48
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