濡れる群青
ねこ歩き

ギリギリのデザインで 君を喜ばせたくて
浮ついたメールも 泥まみれの湖に捨てた

散り散りの運命と それを照らす太陽光
慌てて閉めたカーテンの隙間から吹く風

蜜柑色の満月を 望遠鏡で臨んだら
ほら 僕の言った通り 染め上る群青

何通りも試してもないのに すぐ諦めたがる僕の癖
中途半端な生活感で 満足を得ようだなんて
何篇にも織り込んだ この世界はすぐに綻んじゃいそうだよ
だって意地悪な君が 解れた糸を 何度も何度も

不感症の満月を 望遠鏡で臨んだら
ほら 僕の言った通り 止め処ない欲望

何層にも重なったミルフィーユ 食べたがる君の性
シュークリームは別腹で 満足は得られないのさ
何千億と注ぎ込んでも この世界はすぐに破綻するんだよ
だって意地悪な君が 微笑みで魅せて 何度も何度も


自由詩 濡れる群青 Copyright ねこ歩き 2013-05-12 15:51:04
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