落日
オキ



暮れなずむ冬道を

人は家を目指して

せかせか歩む


一つ路地を曲がると

落日が

真っ赤な柿の実のように

目に飛び込んできた


夕日よ

こんなにも力を残していて

反抗の礫を

人にぶつけたいのなら

いっそのこと

その位置から

もう一度昇れ


そうして思う存分

寒空を焦がし

ぎらぎら照りつけ


人を寝かすな








自由詩 落日 Copyright オキ 2013-02-21 20:18:55
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