白が虹むところ
あ。

ずっしりと垂れ下がる雲
光を覆い隠して、まるで
世界の終わり、みたいだ


窓ガラスに流れる水滴を数えてた
何度も間違えては
適当な数字からやり直してる
だから、でたらめ


そういえば
先日母が買ってきた傘は
鮮やかな虹色をしていた
うんざりする湿った空気も
軽やかにしてくれそうな、そんな


階段をおりて玄関に向かう
パジャマ姿のままだったことに気付く
階段をのぼって部屋に戻る
タンスから服を選んで着替える
また階段をおりる
いつものスニーカーかレインブーツか迷う
結局、レインブーツ
傘を探す
見つからない
やっとのことで探し当てる
まだ新品のビニールに包まれたまま
ぺりぺり、はがす
玄関を開ける


いつの間にかの雨上がり
虹は描かれたものではなかった
隠れていた光は白く反射している
くぼんだ土に出来た小さな水たまり


白と虹
世界は今、始まっている


自由詩 白が虹むところ Copyright あ。 2013-02-01 14:52:51
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