おかえり
レイヨウ





同じ強さで信じてくれないなら
信じない

同じ強さで愛してくれないなら
愛さない

私をいつか忘れてしまうなら
関わりたくない

私をいつか置いていってしまうなら
私が置き去りにする

浅いならいらない
薄いならいらない

いらない いらない



あの日の君の言葉の輪郭を
霜焼けでひりひりする指先でなぞってみたら
雨が降ってきた

そういえばさ
君が好きだったあの小説で
主人公が美しい相互依存の中に住んでて
僕らの憧れだったよね


冬の夜は、足元から冷えてく


たぶん
四六時中同じものを
見て
聴いて
同じように感じようとしたことが
原因だったと思う

おかえり、と
いってきます、の間で
丁度よかったんだよな


冬の夜は、耳の熱を奪う


今からでも遅くはないはず

日が沈んだら
僕が迎えに行くから
手をつないでゆっくり帰ろう

日が昇ったら
君は君の在るべきところへ
僕は僕の在るべきところへ


この青い星に存在している
この事実があれば
僕らはだいじょうぶ

だいじょうぶ


冬の夜、清浄な空気を吸い込んで
君の名前を呼んだ







自由詩 おかえり Copyright レイヨウ 2012-12-29 21:03:15
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