349次元
レイヨウ




低音が私の中心を振動させる
脈拍が共鳴する

私の体は、実体を失い音の洪水に溶けた


ふわふわと
小さくても広い異次元を漂う

ゆらゆらと
人の隙間を縫って流れる


さぁ、螺子ネジを緩めましょう
お堅いのはここでは嫌われるのだから

君はどこから来たの?なんて
ナンセンスね
そんな問答0.7秒で蹴り飛ばされるわ

この小さく限られた、
可能性だけは無限大の次元に
溶けてしまえば関係ない
すべて、関係ない


溶けて
溶けて

共にゆられて



「世界を飲み込む波になれるの、君は知っていたかい?」



誰かが云った
鼠たちが愛想を振り撒く街より
ここには夢が詰まってると


逃げ込む場ではない
必ずみんな持ち帰る
自分の場所へ

耳たぶに残る熱気と揺れを、確かに






自由詩 349次元 Copyright レイヨウ 2012-12-29 17:44:07
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