境界膜
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鏡像のように

ひびく睡蓮

あなたの瞼から

瞼へ


五時のサイレン

夢の瞼が剥がれ落ちる

記憶の海から疎外されて

現実に戻る


まだ

終わっていない


それを確認するだけでいい



歴史の終わった世界で

まだ終わっていない何かを捜している


どこか現実から剥離した

光景のなかで


プラタナス

卓球台


コカコーラの緑の瓶が

転がっている

夢はまだ生成している
手のひらから

あふれている


水のように


覚醒した意識のなかの濁り

とめどない退屈を

ひたすら受け流しているにすぎない身体


まだ分からない

有限と無限の

差異のない差異


コピーされた意識が

家の外を歩き出して


影のように

夕闇に翳る


木陰のなかへ消えた






自由詩 境界膜 Copyright empty 2012-11-09 19:02:54
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