群島
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染み透る冷たい澄んだ水を腕に流して/
仮初の水素の香りと爽やかな森の空気がきみの頤から滲み

戦ぐ風               贖罪の韻律がかすかに

未詳の午後/
華やぐ永遠の子午線―――――――――――静かに手渡された
永劫の韻律と記憶と

未詳の花束

邱の上
湖面を揺らす風たち
静かな鳥たちの群れと移動

抱き抱えられた贈り物を
湖の向こう岸で手渡す
添えられた無数の花束と
群島
ポールの上の旋回する林檎
ギザギザに噛まれた嘴の跡
点々と足跡が続いて
森へと爬行している義眼

収率、竜胆/山伏の液果
細かく砕かれた無尽蔵の穀物
どこまでも永遠に時間を溯っていく
新しい世界に漂着するまで
永遠の記憶と
受胎した野生の華やぐような香気とともに
木々から洩れてくる無数の鮮やかな光と縞目を見続けていた
Oblivious,
忘却の旋律が
きみの涙と
きみの伽藍を
通過する

寂しくないよ、

きみが微笑んだから

そこに流れている時間はそのまま

そのまま
白く靡いている






自由詩 群島 Copyright empty 2012-09-21 05:03:34
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