寂寥の領域
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猟奇的な、一つの単調な光が、
光、空間の飽和の枠を超えて、純粋に流れ出てくるのを感じなくてはいられない、ほどに、
快感原則の枠を超えて、cottageに、きみの死体があるのを、珍しく感じながら歩いている、
純粋な基底の廃棄を、互生的に、行う、(光の枠は、)
純粋な形像を伴うことを厭う、或いは躊躇う、ので、
もはや(kreutzer sonateの、において、純粋な形像に冒されることのない位置を占めたきみが、無限の蒼穹と口唇を接合するのを、(黙ってみている訳には行かないだろう?、ときみが思ったのは臆測だった、)から、
(光の枠は、)形像の中に取り込まれている、だろう
poinsettiaの互生置換。
現象の漸次的な邂逅に見切りを附けて、(或いは荼毘に付すように、)
光の枠の中で、単一な形像をきみは見つける、そして、それに
(名前を与えるだろう)

現象の骨格に、一つの〈轍〉を穿つきみのてのひらに、植物たちが優しく纏わりついている、のを、(きみは気付いているだろうか?)―――単調な流れの中には、〈臆測〉が存在しないのを。
わたしのなかで熔解してゆく行為、熔融される原型、
溶かし込まれるかのように、そして吸い付いてゆくかのように、
(光の枠:が、)異様なほどに世界と結びついているのを感じなくてはいられない、と
柔らかな残像が降っている春―――――――――――opium/
Apolloの、機械的な駆動に対して、きみは短く溜息をつく。
柔らかに、光の瞬間的な蠕動が、まだ滞空している、それは〈夜の音響:だ、〉
きみは響きを聴き取る、無限に増幅してゆく〈響き〉を。
だが、きみの具現的なimagoに比べて、世界がどんなに浅はかなものだろうか?

急に音響が途切れてしまうのを、きみは悲しく感じているだろう

無理もない、なぜなら世界そのものが、きみ自身の中に、包含されてゆくのを感じるからだ、と

綻びの中の声がいう/

(魔性の世界の中では、音響そのものが濁っている)――――きみは熔融する、
わたしの中でそれは濁っていく行為、だからこそ。

寂寥の領域が、無限そのものの中に、伸び広がっていく。
―――――漸次的展開はわたしにとって、既に結わわれた行為、だから、
何ものにも変え難い一瞬の
きみは春に溶けた/罅割れの
声を弔慰する
無限の綻びの
永劫のような化身を
きみは握りしめる

それは潰れることなく
ただ茱のように
弾力のある抵抗感を示す

夢の粘膜が静かに溶け出し
淀みは脳のなかで発散する

記号のような春のなかで
記号のようなキスをして
記号のように受精しよう

つまらないだろうか?


自由詩 寂寥の領域 Copyright empty 2012-09-18 21:37:24
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