弦月
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光にはつるもの
光の布陣
永遠を誘う掌
海潮の平穏な媚態に
永遠の性的な意匠を求めて
無限の荒野を垂直に流れる虹
記憶の曖昧な過程から現‐視野の実存へ
光が四方八方から流れて
媚態のエスキス
光の負傷
有論的過程のcosmos
渡し舟のように

記憶から抉じ開けられた永遠の措定と遡行
「わたし」から「わたし」へ
実存に渡すべきもの
光と闇の混淆/そこにはないもの、を
賊なうことなしに意匠すること
焼け跡から爛れ落ちるエスキス/死の意匠へ
無限の廻廊から微笑の連弾
過程の無意味が浮き彫りになり
同時に明瞭な視野がそこなわれることを知る

光、永遠をそこなうもの
渡された、同時に詳らかに為された、
有における地平の、(或いは光の布陣の、)
永遠を刻印された掌へ、の、
光の道標、そこにはないもの、を、
賊なうことなしに

解除された認識の失効
奇妙に外れた明度の線形/箍が外れたかのように
死の地平は全てをそこなうことなく実存的に反‐定立する
予見なしに世界を現‐存在する
定立された事象の無‐基底性へ
不確かな、
靄に包まれた視界の
明瞭さ
綻んでいく眼のようにそれは明瞭だから
/他がために
明瞭な視野が刺さり
生滅の
糜爛した時間が過ぎる
潤んだ声のエスキス
嗚咽の籠もった声
鮮やかな色彩のすべてが凝り
平滑な時間の中へと呼び寄せる
包まれているものよ


自由詩 弦月 Copyright empty 2012-09-18 04:59:00
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