夏になれば街は
Debby

八月は切り抜かれ
友達は工場べりを歩いている
街並みを通り抜ける光と
ぬるい膜のなかだって

明け方になって、長い手紙は折りたたまれて、どこへも
手を止めた、重なったビルの中から、適切な坂道を探し
ていた、手紙はそれから、もうずっと長い時間の中で、
明け方になって。

明け方になって、間違いを探す。

手を止めた
切り抜かれた、一つの
坂道はずっととおい場所へ
長い々々カーヴの果てで

工場のクリーム色の壁に沿って、
友達は歩いていた、もう
ずっと旧いことみたいに
ぬるい膜のなかだって

長い手紙のことばかり、明け方を転がっていって、探し
出された間違いは、ある日そこで道が終わったと、告げ
られたあの時みたいに、坂道はそこまで、これからは、
もうずっと空が続くんだって。長い手紙は明け方をもう
ずっと転げていて、旧い膜のなかだって。


自由詩 夏になれば街は Copyright Debby 2012-08-24 21:44:29
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