【 孤独死友の会 】
泡沫恋歌

ある時 独り暮らしの友人が
「孤独死友の会」を作るんだと
楽しそうに話していた
もしも そんな会を作ったら
「孤独死できないじゃん!」
と笑ったことがある

寂しいと呟く人の
孤独の意味を考えるとき
独りだから孤独なのか
誰にも理解されないから孤独なのか
必要とされない人間だから孤独なのか
たぶん思いつく理由はこんなものだろう

だが しかし……
これらの中には本当の理由はない

孤独は他者によって与えられるものではなく
自分の都合もしくは自身が原因であることも多い
たとえば自我に拘り 他者との調和を無視して
干渉されることを嫌い 自分で壁を築き
繋がりをシャットアウトしてはいないか
その結果 気づかない内に
孤立しているということもあるのだ
さらに不幸な場合には家族にも身捨てられる
実際 私の知り合いにはこのタイプが一番多い

孤独なのを人のせいにして
恨んだり拗ねたりしているのだ!

孤独になりたくないのならば
自分をオープンにして他人を受け入れること
つまらないジョークでも愛想笑いをして
些細なことで怒ったりしないこと
配偶者の愚痴や癇癪にも動じないこと
常に不愉快なことでも我慢するしかないのだ
そうすれは円滑な人間関係が生まれて
仲間という輪に入ることができる

いいや! 自分らしく在りたい 
と望むならば孤独も已む無し

孤独は自分自身を育てる時間でもある
たとえば詩人は孤独だと感じるとき
心の中に湧きあがってくる数多の感情をある
そいつを捕まえてコトバに変換すれば
それは詩となって昇華される
詩人にとって孤独は相棒みたいなものだから

しょせん 生まれる時も死ぬ時にも
人は独りばっちなのだから
孤独を怖れることなどない

「私は独りぼっちで寂しい!」
堪らなくなったら声に出せばよい それだけでよい
自分で「孤独人」と認めてしまえばいいのだ
大丈夫 もう孤独じゃないよ
世の中に「孤独人」はわんさか居るのだから
その輪の中に入っていけるじゃないか

おめでとう!
これで「孤独死友の会」が設立できる。



自由詩 【 孤独死友の会 】 Copyright 泡沫恋歌 2012-03-21 14:43:02
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